インフィニティ・ウォーズへの道〜ANGotGからインフィニティ・カウントダウンまで〜
2018年のコミックシーンを賑わせたマーベルの大型イベント「インフィニティ・ウォーズ」。しかし、コズミック系を中心として有名・無名を問わず無数のヒーロー、ヴィランそして神々が入り乱れ、複数の誌面から流れを汲んだこのイベントは、その魅力に反して読み始めのハードルが少々辛いものでした。
というわけで、たぶんこのイベントに合流する話は全部読んだと自負するぼくが、中心となるキャラクターごとに『インフィニティ・ウォーズ#1』まで道のりをご案内します!
チーム最後の任務として、とある惑星での強盗を請け負ったガーディアンズ。しかしその依頼は、エルダーズ・オブ・ユニバースの1人グランドマスターによる小手調べだった。彼らの実力を認めたグランドマスターは、彼らに6つのインフィニティ・ストーンの捜索を依頼する。(「シークレット・ウォーズ」による)世界の再編、複数のエルダーズの失踪、違和感を感じたグランドマスターは、その謎を突き止める鍵が消失したストーンにあると踏んでいたのだ。かくして、インフィニティ・ストーンを巡る物語が幕を開けた。(All-New Guardians of the Galaxy #1-2,4,6,8,10,12)
ガーディアンズ内にも問題を抱える者がいた。ガモーラは、かつてソウル・ストーン(※当時の名称はソウル・ジェム)内部にいた頃から、魂の一部がそこに囚われたままだったのだ。自分の一部を取り戻すため、チームとは別の目的でストーン捜索に望んでいた。(All-New Guardians of the Galaxy #3)
そんな折、ガーディアンズは銀河の警察組織ノヴァ軍から依頼を受ける。再建直後の軍内部で横行する不正を暴くため、銀河のヒーローでありながらならず者の彼らが雇われたのだ。各々の方法で調査を進める5人だったが、軍本部から独立したはぐれノヴァ軍の基地を訪れたスター・ロードが、図らずも1つ目の石パワー・ストーンを見つけたのだった。だが極秘だったはずのストーン発見の報は、瞬く間に宇宙中のヴィランの元へ駆け巡る。こうして、次第に物語はストーン争奪戦へと様相を変えていく。(Guardians of the Galaxy #146-150)
パワー・ストーンを狙い、ガーディアンズの元には次々に敵が現れる。ロビー・ライダー率いるシーアー帝国の暗殺部隊フラタニティ・オブ・ラプターズ、ウォーブリンガー率いるチタウリ軍団、そしてエルダーズの1人ガーデナーの改造グルート軍団。ノヴァ軍の救援を受けながらも戦いは混迷を極めたが、スター・ロードがパワー・ストーンの力を解放したことで決着がつき、一同は戦場を後にした。(Infinity Countdown #1-3)
ソウル・ストーンを手に入れた旧友アダムと再開したガーディアンズだったが、ソウル・ストーンの力を危険視したアダムはそれを渡すことを拒否。偶然その力に触れ、ストーンの力を目にしてしまったドラックスはアダム、カーンとの同行を決意する。信じる仲間に裏切られたガモーラまでもがチームを離れ、ガーディアンズは解散の危機を迎えるのだった。(Infinity Countdown #5)
数年前、壊滅したノヴァ軍本部で悲嘆に暮れるロビー・ライダーを救い出したラプターズは、彼を洗脳してラプターズの戦士として鍛え上げた。そして現在、新たな名前“タロナー”を与えられ、指導者の1人へと成長したロビーは、彼らの宇宙船を盗んだガーディアンズを追っていた。ロビーは船内に隠されたネガ・バンドを取り戻したものの、スター・ロードの一計により宇宙の彼方へ飛ばされてしまった。(Free Comic Book Day 2017, All-New Guardians of the Galaxy #6,8,11)
ラプターズに戻ったロビーは、今や憎むべきノヴァ軍を内部から壊滅させようと目論むが、スパイがガーディアンズに見つかり、ノヴァ軍との全面対決に陥る。一度は復活したリチャード・ライダーとガーディアンズの助力に敵わず敗走したロビーだったが、パワー・ストーンを巡って再び交戦。その最中、お互いに死に別れたと思っていた兄リチャードと再会する。致命傷を負ったロビーを見捨てられないリチャードの思いも虚しく、ロビーは“家族”となったラプターズと歩むことを決意し、戦場を離れるのだった。(Guardians of the Galaxy #149-150, Infinity Countdown #1-3)
シーアーに戻ったロビーはネガ・バンドの力でヌル・スペースへの扉を開き、元祖ラプターズを迎え入れる。彼らの導きで始祖の力を手に入れ“ダークスターホーク”へと進化したロビーは、人類滅亡を命じられ地球へ向かう。地球に到着する直前、故郷を守るダークホークとリチャードに力尽くで説得され、目を覚ましたロビーだったが、暴走したダークホークによって兄の目前で火の粉となってしまった。(Infinity Countdown: Darkhawk #1-4)
●ウォーブリンガー
チタウリの猛将ウォーブリンガー。ガーディアンズに敗れた彼とその一派は、サノスとその力に屈した同胞を皆殺しにするべく祖国へと向かう。しかしノヴァ兵士からの救難信号を受けた地球のノヴァ(サム・アレキサンダー)とチャンピオンズが無実の市民を守るためにウォーブリンガーを止めることを決意。サノスと戦うこともできないまま倒された。(Infinity Countdown #2-3, Infinity Countdown: Champions #1-2)
●アダム・ウォーロック
ガモーラの一部と同じく、ソウル・ストーンに囚われていたアダム・ウォーロック。一足先に蘇ったアダムが目を覚ましたのは、戦いが終わり、数多のヒーローが屍となった未来だった。そこで待っていたカーンによれば、世界を救うため2人は既に百数十回のタイムトラベルを行ったにも関わらず全て失敗したという。カーンは誰にも知られずアダムをソウル・ストーンへ導くため、彼を古代エジプトへ送る。事情を把握したエジプトのカーンは、2018年におけるソウル・ストーンの在り処と、待ち受けるアダムの分身にして宿敵メイガスとの対峙を伝え、アダムを長い眠りにつかせた。(Guardians of the Galaxy #150, Infinity Countdown: Adam Warlock)
現代で目を覚まし、メイガスの元へ向かうアダム。しかしメイガスは既に破れ、ソウル・ストーンはウルトロンの手に渡っていた。洗脳されたシルバーサーファーを取り戻すも、ウルトロン軍団の前に劣勢のアダム。彼を助けるため、サーファーは今一度ギャラクタスの先触れとなることを決意する。宇宙最強の2人を味方につけ、アダムはウルトロンからソウル・ストーンを奪い取ったのだった。
ドラックスを加え、アダムはカーンに約束していたタイム・ストーンの捜索に出る。(Infinity Countdown: Prime, Infinity Countdown #2-5)
友人を助けようと迷い込んだ異世界でリアリティ・ストーンを手に入れたキャプテン・マーベル。(Captain Marvel #125-129)
※6つの石は各ユニバースに存在するが、リアリティ・ストーンのみ「あるユニバースに存在するストーンは本来別のユニバースのもので、他のユニバースでは力を発揮しない」という特殊な設定がある。正史世界(アース616)で揃えるべきリアリティ・ストーンはアース・ゼータ(キャロルが迷い込んだ世界)にあり、正史世界にあったリアリティ・ストーンはアースTRN707(本イベントで登場したムーンドラゴンらの出身世界)に所属するものだった。
近年の出来事に自分を見失いかけていた彼女だったが、ストーンの力で訪れた様々な世界の“キャプテン・マーベル”を通して過去の自分が選んだ道を受け入れ、もう一度ヒーローとして歩むことを決意するのだった。(Infinity Countdown: Captain Marvel)
再編された世界で最初に姿を見せたインフィニティ・ストーンが[「マーベル・レガシー」にて]復活したウルヴァリンの持つスペース・ストーンだった。ウルヴァリンはストーンを狙うロキやウルトロンを返り討ちにしたが、しばらくしてブラック・ウィドウにストーンを託した。(Marvel Legacy #1, Infinity Countdown: Prime, Infinity Countdown #1)
ウィドウは表向きには死亡したまま、ストーンの力を利用しながら秘密裏に活動を続けていた。その途中助けられた老人[※ウィドウは気付いていないが、魔術師マーリンその人だった]にストーンを預けようとするも、「それは自分の物語ではない」と断られてしまう。(Infinity Countdown: Black Widow)
●タルク・ブレット
NYの小悪党、タルク・ブレットは、ある日の上でカンフー集団とスクラル人の争いに巻き込まれる。その最中目にした光る石を拾うと、かれの頭に周囲の人間の思考が流れ込んできた。マインド・ストーンの力に気付いたタルクはそれを利用して荒稼ぎを始め、不審に思ったデアデビルすら追い返すことに成功する。勢いづいたタルクはキングピンを越える犯罪王を目指し、ブルズアイと組んでヴィランを集め始めるのだった。(Infinity Countdown: Prime, Infinity Countdown: Daredevil)
タイム・ストーンは惑星サカールの地中に眠っていたが、スーパースクラルによって掘り起こされていた。(Infinity Countdown: Prime)
宇宙を旅するドクター・ストレンジは、異世界の魔術を学ぶためスクラル人魔術師の元を訪れたのだが、期せずして戦闘に陥ったスーパースクラルを下してストーンを手に入れた。ストーンの危険性を知るストレンジはその時が来るまでストーンを封じておくことを決意して旅を続ける。(Doctor Strange #3)
時が経ち、6つの石が次々に発見されたことに危機感を感じたストレンジは、それぞれの保持者に警告するが、聞き入れる者はいなかった。しかし分散したままでは、いずれ現れる強大な悪の手からストーンを守ることはできない。ストレンジは再び保持者たちに呼びかけ、かつてストーンを守護した6人の守護者“インフィニティ・ウォッチ”の再結成を宣言するのだった。(Infinity Countdown #5)
●ロキ
早期からガーディアンズがインフィニティ・ストーンを探していることに勘づき、彼らに見つけさせてから出し抜こうと画策していたロキ。エルダーズの1人ガーデナーを洗脳してまで彼らを追い詰めたが、成果は得られなかった。(All-New Guardians of the Galaxy #10,12)
ロキはスペース・ストーンを狙いウルヴァリンにも近付いたが、そちらもあえなく失敗した上片目を失うこととなる。(Infinity Countdown: Prime)
●サノス
チタウリを征服し、その玉座に就いたサノス。(Thanos #13)
そこに鎮座したまま、サノスは不敵な笑みを浮かべて戦いの行く末を眺めていた。まるで6つの石が自分の元へ来ることが運命であるかのように――。(Infinity Countdown #5)
●レクイエム
ニダベリアのドワーフに造らせた鎧と剣を備える、風貌以外未知数の人物。敵か、味方か。その目的は。そしてその正体とは――。(Infinity Countdown #1-5)
以上、これでも駆け足でしたが、インフィニティ・ウォーズの入口までご案内しました。
ここまで読んでくださった方はもう『インフィニティ・ウォーズ: プライム』を手に取ることができるはず!まとまるわけなさそうな新生インフィニティ・ウォッチ。目的も動向も読めないヴィランたち。そして刊行前から話題を呼んだ新キャラクター“インフィニティ・ワープス”(マーベル・ユニバースのキャラクター同士が融合!)。本誌も熱い展開がじゃんじゃん待っていますので、是非ご覧ください!!!
では、またいつかの更新まで!ごきげんよう〜
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